大会を運営するのって実際どうなの?
その①「スポーツイベント開催は目的ではなく手段」

スポーツに携わるには、いろいろな形がある。

株式会社トライアーティスト
は、
トライアスロンスクール事業、ウェットスーツ事業の他に、スポーツイベント事業に取り組んでおり、3本柱の一つとなっている。

あすたまトライアスロンスクール
トライアスロン用ウェットスーツ「鏡花水月」「水陸両用」

今回はその中でもスポーツイベント事業にフォーカスをあてつつ、自分が大会運営に関わった経緯や、特に知られていない大会運営の舞台裏について語っていこうと思う。

自分は、生涯現役アスリートとして、競技を続けているが、これまでを振り返ってみると、10~20代は競技者、30代は指導者、40代は大会運営がメインという感じにステップを踏んできている。確かにその時その時で転換点になった選択はあった。それは自らが望んでそうしてきたというよりは、自分の人生がそのように流れてきた、といった方がよい気がする。

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特にこの10年、レースディレクターとして、大会運営に携わるようになり、様々な経験を積ませていただき、自分の幅を広げることができたと思う。競技や指導についての情報は比較的手に入りやすいが、大会運営ということに関しては、手に入れられる情報は現状ほとんどないに等しい。

より専門性が高い業務であるがゆえに、なかなかオープンにされずブラックボックス化しているのだろう。

なので、手探りの中、試行錯誤や失敗を繰り返し、少しずつ経験値を集めてきた。10年掛けてきたその成果もあって、弊社が運営、レースディレクションをするいくつかの大会は、人気大会に成長してきている

伊勢志摩・里海トライアスロン大会
(2018年 人気大会ランキング全国3位)※トライアスロンルミナ調べ

伊勢志摩ナショナルパークトレイルランレースin南伊勢町

(2019年 runnet大会ランキング全国1位)
 
※トレイルラン部門 大会レポート評価85.0点  2019年4月2日時点

トヨタの森トレイルランレース(2012年から継続開催)

知多半島ロゲイニングシリーズ(知多半島で唯一のロゲイニング)



大会を運営するとは、いったいどんな仕事なのか?

興味のある方もみえると思う。現在トライアーティストでは、
トライアスロン、トレイルラン、ロゲイニング、リレーマラソン合わせ年間8~10大会の運営を行っている。

弊社スタッフの他に、取引先企業、有志のボランティアスタッフの方たちにもご協力頂きながら、何とか運営している現状があり、正直、このままでは手が一杯である。この
ブログでは、
今後、大会運営をしてみたい、携わりたいという方が増えてきてくることを願い、大会運営者として視点からの情報も今後発信していこうと思う。発信(アクション)することによって何かが変われば、という切実な気持ちである。


ここからはつい先日、第2回大会が行われた『佐布里リレーマラソンin梅の館』を例にあげながら、実際の大会運営の経緯やレース開催までの道のりについて説明していこうと思う。

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2019年3月31日(日)第2回佐布里リレーマラソンin梅の館を開催。
(主催:佐布里緑と花のふれあい公園・ホーメックス株式会社


大会会場は、愛知の巨大貯水池「佐布里池」に隣接する花と緑に囲まれた公園。
25種類5700本の梅の木が植えられており、梅の名所として有名なスポット。
毎年2月から3月初旬まで梅まつりが開催され多くの人で賑わいをみせてい
実は先日(2019/3/24)、TV東京の人気番組「池の水全部抜く!!」で放映され、一躍注目を浴びた。
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話は2年前、2017年の春に遡る。
2月の梅まつりを終えた後の公園施設の集客イベントとして、マラソン大会を開催したい。
公園の指定管理者から弊社にそう打診があった。

佐布里池は、自分の実家から3㎞ほどの場所にある。幼いころからよく遊びに行っており、学生時代はトレーニング環境としても利用していた。公園として整備されたのは、2001年のこと。自分が地元を離れた後だった。話を聞いた当初は、コースの距離が限られる公園内だけでマラソン大会を開催するのは正直厳しいと感じた。

しかし、実際に現地を見てみないとわからない。現地現物を確認することは仕事の基本中の基本
実際に現地に赴き、公園内をくまなく歩く。公園の名の通り、花と緑に囲まれたとてもよい雰囲気。
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ただ、公園自体それほど広くはない上、ところどころ狭い箇所があり、かなりのアップダウンだ。
コースとして使えそうな遊歩道をつないてみると、距離は約1.2㎞。10㎞のコースを設定するためには、8周回。5㎞でも4周回だ。近年のマラソンブームで、5㎞や10㎞のマラソン大会は全国各地で毎週末開催されており、目新しさはない。今日、マラソン大会も差別化を図らなくては集客は難しい

では、リレーマラソンはどうだろう?

リレーマラソンとは、制限時間内にチームで走った周回数(距離)を競うマラソン大会。
駅伝のように走る人数、順番があらかじめ決まっていないため、初心者からベテランランナーまでが一緒にチームを組み、個々の走力やその日の体調に合わせて走ることができる。
またタスキをつなぐ充実感や一体感も魅力の一つ。

リレーマラソンの最大の魅力は、速いチームも遅いチームも最後まで走り続けているため、会場の一体感を創出しやすい点。また、1周ごとに会場に戻ってくるので、応援する方も楽しめるところも魅力のひとつだ。1周1.2㎞という距離はマラソン大会にしては短いが、リレーマラソンでは、逆にメリットになる。

ここは、リレーマラソンにとって最適なロケーションだと「ピン」ときた。
やはり一番大切なのは、現地を見て、そこで降りてきた直感を信じることだ
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小学生やビギナーにとっても、1.2㎞であれば、何とか走り切れる距離。リレーであれば、様々な走力の方がレベルを問わず、楽しむことができる。

そして、もう一つの集客の工夫は、「耐久ソロ」の部を設定したことだ。
6時間の設定だと、走れる人はフルマラソン以上の距離を走れるため、ウルトラマラソン愛好者にとっては、ちょうどよいトレーニングレースとなる。

自分は以前、『三好四耐(三好池4時間耐久マラソン)』というイベントを主催していた。
その時もリレーマラソンとソロの耐久部門を併設して人気を博していた。諸般の事情で続けることはできなかったが、いつかどこかで耐久マラソンを復活できればという思いはあった。

こうして生まれたのが『佐布里リレーマラソンin梅の館』である。
第1回大会は参加人数こそ300人台と少なかったが、タフでテクニカルなコースが評判を呼び、第2回大会は、500名近いエントリーが集まった。会場のキャパシティを考えるとほぼマックスに近い集客である。大会当日、会場は、選手、応援者、出店ブースでにぎわいをみせ、当初の目的であった施設への集客は成功した。
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これは自分が選手として感じることであるが、変化に富んだコースであれば、短い周回を何周も回っても飽きがこない。なぜなら、コーナワークやアップダウンの走り方によってもタイム差が出てくる。それがベテランランナーには受けたのだと思う。そのあたりの話を含め、佐布里リレーマラソンの大会当日の様子については、またそのうちアップしたい。


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スポーツイベントの開催は、「目的」ではなく、あくまで「手段」である。
何が求められ、そこのロケーションにとって、ベストな「手段」は何なのか?を考える。
それが自分の考える「スポーツの力を活かす」ということに他ならない。

自分たちの地域では、どんなスポーツイベントができるのか?
スポーツの持つ力で地域を活性化したい、という皆様。
トライアーティストまでご相談ください。

株式会社トライアーティストHP